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ギブソン(Gibson)社は、アメリカを代表する老舗の楽器メーカーで、特にエレキギターとアコースティックギターの分野で世界的に絶大な人気を誇っています。




ギブソン(Gibson)は、フェンダーと並んでエレキギター界の頂点に君臨するブランドですが、そのルーツは19世紀末のオーヴィル・ギブソンという一人の職人の独創性にあります。

その波乱万丈な歴史を、主要な時代ごとに分けて解説します。


1. 創設期:マンドリンからの出発(1894年〜1910年代)

ギブソンの歴史は、ミシガン州カラマズーでオーヴィル・ギブソンが楽器製作を始めたことから始まります。

  • 独創的な発想: 当時のマンドリンやギターは平らな板を曲げて作られていましたが、オーヴィルはバイオリンのように**「厚い板からアーチ状に削り出す」**手法を考案しました。
  • 会社の設立: 1902年に「Gibson Mandolin-Guitar Mfg. Co., Ltd.」が設立。しかし、完璧主義者だったオーヴィルは経営陣と折り合いが悪く、後に会社を去っています。

2. アーチトップの黄金時代(1920年代〜1940年代)

伝説的なエンジニア、ロイド・ロアの加入により、ギブソンは飛躍を遂げます。

  • L-5の誕生: 1922年、世界初のFホールを採用したアーチトップギター「L-5」を発売。
  • アコースティックの名器: 1930年代には、マーチンに対抗して「J-45」や「Super 400」といった歴史的なアコースティックギターを次々と発表しました。

3. 黄金期:レスポールの誕生(1950年代)

1950年に社長に就任したテッド・マッカーティの時代、ギブソンは最も革新的な時期を迎えます。

  • Les Paul (1952年): フェンダーのテレキャスターに対抗し、ギタリストのレス・ポールと契約。初のソリッドボディ・エレキギターを発売。
  • ハムバッカーの開発: 1957年、ノイズを抑えたピックアップ「PAF(パフ)」が登場。これが現在のギブソンサウンドの核となりました。
  • モダンな挑戦: 1958年には「フライングV」や「エクスプローラー」、「ES-335」を発売。当時は奇抜すぎて売れませんでしたが、後に伝説となります。

4. 低迷と復活(1960年代〜2010年代)

  • SGの登場: 1961年、レスポールのモデルチェンジとして「SG」が登場。
  • ノーリン時代: 1969年に親会社が「ノーリン社」に代わると、コスト削減や品質低下によりブランドイメージが悪化します。
  • 買収と再建: 1986年、ヘンリー・ジャスキビッツらが買収。品質を回復させ、過去の名機を再現する「ヒストリック・コレクション」などで復活を遂げました。

5. 破産と新生ギブソン(2018年〜現在)

過度な多角経営がたたり、2018年に連邦破産法第11条(日本の民事再生法に相当)を申請。しかし、経営陣を刷新して原点回帰を宣言しました。現在は伝統的なスペックを重視したラインナップで、再び高い支持を得ています。


豆知識: 実は1958年〜1960年に製造されたオリジナルの「レスポール・スタンダード」は、現在数千万円から1億円近い価格で取引される、楽器界の最高級ヴィンテージとなっています。




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