エレキギターは、アンプやエフェクター(音色を変える装置)との組み合わせによって幅広い音を作れるため、非常に多種多様なジャンルで活躍しています。代表的な音楽ジャンルと、そこでのエレキギターの役割や音の特徴をまとめました。

主要な音楽ジャンルとギターの役割
| ジャンル | ギターの役割・音の特徴 | 代表的なギターや演奏スタイル |
| ロック (Rock) | 主役的存在。歪み(ディストーション)を効かせた力強いリフや華やかなソロが中心。 | ストラトキャスター、レスポールなど。パワフルなコード鳴らしやチョーキング。 |
| ブルース (Blues) | エレキギターの表現力の原点。感情豊かなソロや、呼びかけと応答(コール&レスポンス)が魅力。 | チョーキングやビブラートを多用。少し歪ませたクランチトーンが定番。 |
| ジャズ / フュージョン (Jazz / Fusion) | メロディ、コードワーク、アドリブソロを担当。ウォームで太く甘いトーンが好まれる。 | フルアコースティックギターやセミアコ(ES-335など)。歪ませないクリーン~極軽めの歪み。 |
| ファンク / R&B (Funk / R&B) | リズムの要。カッティング(弦を素早く弾いて打楽器のように刻む手法)でノリを生み出す。 | シングルコイル(ストラトやテレキャスター)の歯切れが良いクリーン/キレのあるトーン。 |
| ヘヴィメタル (Heavy Metal) | 深く歪ませた重厚なリフと、高速のソロ(速弾き)。低音の響きや刻みが重要。 | ハムバッカー搭載ギター(ESP、Ibanezなど)。変形ギターや多弦ギター(7弦/8弦)も人気。 |
| ポップス / J-POP (Pops) | 歌を引き立てるバッキングから、曲のアクセントとなるフレーズやソロまで万能に活躍。 | 曲調に合わせてクリーンからディストーションまで多様なエフェクトを使用。 |
| ネオソウル / シティポップ | 洗練されたコード展開や、滑らかなコードスライド、アルペジオでオシャレな雰囲気を演出。 | 空間系エフェクター(コーラスやディレイ)を効かせた透明感あるサウンド。 |
音作りの魅力:
同じエレキギターでも、ピックアップの種類(シングルコイル/ハムバッカー)やアンプの設定、エフェクターの組み合わせ次第で、甘いジャズの音から激しいメタルの歪みまで全く異なる表情を見せてくれます。
ロックやブルースの代表的なギタリストが使っていたギターやアンプ、エフェクターの組み合わせについて詳しく教えてください。
ロックやブルースの歴史を築いたレジェンドギタリストたちは、ギター、アンプ、ペダル(エフェクター)の明確なこだわりを持ち、独自の「シグネチャー・トーン」を生み出してきました。
特に代表的な3人のセットアップと、その音作りのメカニズムを解説します。
Gearnews.com
1. ジミ・ヘンドリックス(ロック/ブルース・ロック) Equipboard
音の特徴: サイケデリックで破壊的、かつ表現力豊かな極上のディストーションサウンド
ギアの組み合わせ
- ギター:Fender Stratocaster(1968年製オリンピック・ホワイトなど) Ground Guitar
- 右用のギターを左利き用にひっくり返し、弦を逆順に張り直して使用。これによりピックアップのポールピースの位置やヘッドのテンションが逆転し、独特のトーンが生まれました。 Gearnews.com
- アンプ:Marshall Super Lead 100W(通称プレキシ) Gearnews.com
- キャビネット(スピーカー)を何台も積み上げ、マスターボリュームのないアンプを限界までノブを全開(Dimed)にしてパワー管を歪ませていました。
- エフェクター:
- Dallas Arbiter Fuzz Face: ファズペダル。激しい歪みを作りつつ、ギター側のボリュームを絞ることで鈴鳴りのような綺麗なクーン〜クランチに変化させて演奏。 Ground Guitar他 1 件
- Vox Wah: 独特の「ワウワウ」というフィルター効果。 Boost Guitar Pedals
- Shin-Ei / Univox Uni-Vibe: うねるようなモジュレーション効果(回転スピーカーのような効果)。 Boost Guitar Pedals
2. ジミー・ペイジ(レッド・ツェッペリン)
音の特徴: 重厚で太い太古のロック・リフと、エッジの効いたサステイン(伸ばす音)
ギアの組み合わせ Gearnews.com
- ギター:Gibson Les Paul Standard(1959年製「No.1」「No.2」) Gearnews.com
- ハムバッカー・ピックアップ特有の太く甘い音色。配線を改造し、各ピックアップの位相を反転させるフェイズ・アウト・サウンドも多用しました。
- アンプ:Marshall 1959 SLP や Hiwatt、スタジオでは Supro Gearnews.com
- レス・ポールのパワーを大型アンプで受け止め、原音の芯を残した粘りのあるハードロック・サウンドを作り出しました。
- エフェクター: Andertons Music Co.
- Sola Sound Tone Bender (Fuzz): 初期ツェッペリンサウンドを象徴するファズ。 Andertons Music Co.
- Echoplex EP-3 (テープ・ディレイ): 磁気テープを使ったプリアンプ内蔵のディレイ(生木のような温かみとプリアンプによる音圧アップ効果)。
3. スティーヴィー・レイ・ヴォーン(モダンスロー/テキサス・ブルース)
音の特徴: 太く粘り強いミッドレンジ(中音域)と、手元のタッチがダイレクトに響く鋭いアタック音
Gearnews.com
ギアの組み合わせ Gearnews.com
- ギター:Fender Stratocaster(1959/1962年製の通称「First Wife / Number One」) Gearnews.com
- 極太の弦(.013〜.058などの極太ゲージ)を使い、半音下げチューニングで強烈なピッキング弾きを行っていました。 Equipboard
- アンプ:Fender Vibroverb / Super Reverb / Dumble Steel String Singer Ground Guitar
- 歪ませすぎず、大音量でクリーン〜微かなクランチ(歪みはじめ)をキープできる高出力アンプを複数台組み合わせて使用。
- エフェクター:
- Ibanez TS808 / TS9 Tube Screamer: オーバードライブペダル。歪み量を増やすためではなく、Driveを低め・Levelを高めに設定してアンプのInputを強力に押し出す「ブースター」として活用。中音域(ミッド)が前に出るブルースの王道セッティングです。
トーン構築の法則:
- ジミヘン型: シングルコイル + ファズ + アンプの限界ドライブ(高域が力強い暴れ馬サウンド)
- ペイジ型: ハムバッカー + アンプ/ペダル歪み + 空間系(太くサステインの長い重厚サウンド)
- SRV型: シングルコイル + TS系オーバードライブ + 余裕のあるクリーンアンプ(中音域が太く抜けるブルースサウンド)
色々なジャンルに対応しやすい、初心者にもおすすめのエレキギターのタイプを教えてください。
初心者の方が「色々なジャンルを弾いてみたい!」という場合、音作りの幅広さ(汎用性)と扱いやすさ(取り回し・メンテナンス性)を兼ね備えたギターを選ぶのがベストです。
ジャンルを選ばずマルチに活躍できる、おすすめのエレキギターのタイプを3つ厳選してご紹介します。
1. SSHレイアウトのストラトキャスター(最推奨)
特徴: 万能性No.1。ポップス、ロック、ファンク、アニソンまでこれ1台でカバー
通常のストラトキャスターは3つのピックアップ(マイク)がすべて細い音の「シングルコイル」ですが、一番後ろ(ブリッジ側)だけ太い音が出る「ハムバッカー」に変更されたモデルをSSH(エス・エス・エイチ)と呼びます。
- 音の強み:
- リア(ハムバッカー): ロックやメタルの激しい歪み、太いパワーコードに最適。
- センター/フロント(シングルコイル): カッティング(ファンク)や、綺麗なクーン(ポップス・バラード)に最適。
- 代表的なモデル: Yamaha Pacifica(パシフィカ)シリーズ、Fender Player II Stratocaster HSS など。
2. タップ機能付きのレスポール・タイプ
特徴: 太く甘いロック・ジャズサウンドが基本。切替でシャープな音も出せる
2つのハムバッカー・ピックアップを搭載し、重厚でサステイン(伸び)のある音が特徴の伝統的スタイルです。
最近の初心者向け〜中級者モデルには、ノブを引っ張ることで「シングルコイルの音」に切り替えられるコインタップ機能がついたものが多くあります。
- 音の強み: ハードロック、ブルース、ジャズ、メタルなど「重厚さ」「甘さ」が必要なジャンルで圧倒的な存在感を発揮します。
- 留意点: ストラトキャスタータイプに比べて本体が少し重めです。
- 代表的なモデル: Epiphone Les Paul Standard (Coil-Tap付き)、PRS SE McCarty 594 など。
3. PRS(ポール・リード・スミス)スタイル
特徴: ストラトとレスポールの「いいとこ取り」。洗練されたデザインと高い演奏性
ストラトキャスターの「軽快さとスケール感」と、レスポールの「太いサウンド」のちょうど中間(スケール長25インチ)で作られているハイブリッドなギターです。
- 音の強み: 2つのハムバッカーをベースにしつつ、標準で多彩なコイルタップ機能を備えているため、クリーンからハイゲイン(激しい歪み)まで一切隙がありません。現代のポップスやJ-POP/J-ROCKに極めて相性が良いです。
- 代表的なモデル: PRS SE Custom 24
まとめ:選び方のチェックリスト
| タイプ | 音の得意分野 | 扱いやすさ | こんな人におすすめ |
|---|---|---|---|
| SSHストラト | 万能(カッティング〜歪み) | 軽量・弾きやすい | 最初の一本で絶対に失敗したくない方 |
| レスポール | 太いロック・ブルース・ジャズ | やや重い | ド迫力の歪みや太いソロを弾きたい方 |
| PRSスタイル | 現代的なポップス・ロック・J-POP | バランス抜群 | モダンな見た目と万能性を両立したい方 |
初心者のためのワンポイントアドバイス: スペックも大切ですが、最後は**「見た目が一番好きで、部屋に置いたときにテンションが上がるギター」**を選ぶのが一番です!手にとる回数が増えることこそが、上達の最大の近道になります。
Copyright © 2026 Portside-Net. All Rights Reserved.


